
商品先物取引の概要

商品先物取引とはどういったものかご存じですか?
例を挙げて説明いたします。
例えば、金の先物価格がグラム当たり2,400円だったとします。
金地金を1キログラム現物(げんぶつ)で買うと、240万円の資金が必要となります。しかし、先物取引では9万円であれば1キログラム買うことができるのです。
ただし、2,400円の金価格が2,310円に、グラムあたり90円下がると、9万円はなくなって取引は終了します。(1キロ買ったわけなので、▲90円/g x 1,000倍)
逆に、金価格が2,400円から2,490円に上昇すれば、9万円の利益となります。ここで反対売買(この場合は売り)をして取引を完結させれば、9万円の証拠金は18万円となり2倍になって返ってきます。投資効率は100%です。この取引にかかる、外務員経由の標準的な金の売買手数料は1万400円ですので、手取りは(18万円-1万400円=)16万9,600円となります。
しかし、インターネットでの取引では手数料がかなり安いです。 会社によりことなりますが、平均すると片道約500円弱です。最低は70円なので、売買往復でおおよそ140円〜1,000円程度であり、インターネットで取引すれば、手取りは18万円弱となります。
限月(げんげつ)先物の売買契約の、最終契約の、最終的に決済しなければならない期限(月)をいいます。その月の納会日までに反対取引を行うか、または、総代金を支払って現物の受渡しを行うかをして取引は完了します。大部分の場合、買っていれば売り手仕舞い(てじまい)、売っていれば買い手仕舞いするという「反対取引」によって取引が完結します。
先物取引が行われる限月の中で、最も将来の限月を「期先」といいます。下記の表は、2006年9月時点の日経新聞紙上の先物取引価格表です。9月の金価格においては2007年の8月が期先の限月となります。通常、先物価格とは、期先の限月の価格をいいます。なぜなら、取引の出来高が最も多いからです。先物取引をする場合は、一番先の限月を売買するといいです。その方が流動性が高いためです。
近い将来の限月を「期近」といいます。最も手前になった場合は「当限」といいます。米国の先物市場では、期近の限月が最もアクティブな限月であるので、期近の限月の価格が指標となっています。
日本では、限月が期近に近づくにつれ、出来高は少なくなり、流動性が低くなります。つまり、売りたいと思っても、思った値段では売れなくなる可能性が高くなります。期近になればなるほど価格の変動が激しくなるため、取引所は定時増し証拠金といって、当月限には割増証拠金を要求することになっています。投資家としては、なるべく期近の取引は避けるようにした方がよいです。
価格の動きについて
金の価格が、90円/g以上動くことがどれだけあるのでしょうか。
2006年の9月までの東京工業品取引所の金先物価格で説明します。だいたい1ヶ月以内に100円以上の値幅で金価格は動いています。うまくいけば、金を売ったり買ったりして、1ヶ月以内に9万円を2倍(180円の値差)〜3倍(270円の値差)にするチャンスがあります。
慣れてくれば、もっと値動きの激しいガソリンや灯油を取引すればいいでしょう。ガソリンの証拠金は、1枚当たり13万5千円です。
2006年2月16日から4月24日までの間だけをとっても、53,280円から69,790円まで、11,510円上昇しています。ガソリン価格の倍率は50倍なので、11,510円ということは、57万5,500円に相当します。
つまり、仮に2月16日135万円の証拠金を出してガソリンを10枚買っているとすると、4月24日には575万5,000円の利益が出て、元金は710万5,000円になっていたということです。

金の場合は倍率が1,000倍です。どういうことかと言いますと、価格1円の値動きが1枚当たり1,000円に相当します。ガソリンの場合の倍率は50倍ですので、1円の値動きは50円に相当します。
倍率は、商品取引所が各商品ごとに取り決めています。さまざまな商品先物特有の約束事で、倍率だけではどうしても記憶していただきたい数字です。なぜなら、倍率を知らないと、いま自分がいくら利益を出しているのか、いくら損失を出しているかがわからないからです。
実は商品先物をわかりにくくしている原因の1つが、この倍率です。
商品によって、その商習慣の違いから価格の単位や取引単価がバラバラなため、それぞれ倍率が異なるのです。たとえば同じ10円の値動きでも、実際の損益の値幅は、金なら1万円、銀なら3万円、白金の場合は5千円、原油・ガソリン・灯油は500円といった具合に、大きく変わります。
日本の商品取引所は4ヶ所あります。東京工業品取引所(東京穀物商品取引所)・大阪商品取引所・中部商品取引所・関西商品取引所です。かつては6か所ありましたが、中部商品取引所と大阪商品取引所、関西商品取引所と福岡商品取引所が合併しました。
売買の単位を1枚といいます。これは商品の倉荷証券1枚という意味です。
実際に倉荷証券をもらうには、証拠金だけでなく代金総額を支払う必要があります。(金1枚でいえば約240万円)。たとえば相場で損をした場合、そのまま反対取引をせずに1年先の納会日に商品代金総額を支払えば、倉荷、つまり現物を入手できます。倉荷証券は、取引所が指定した倉庫業者が責任をもって当該商品を預かっていることを有価証券であり、倉庫業者に命じれば、好きなときにその商品を引き取ることができます。
原油や鶏卵のようあ例外を除いて、納会日前に商品の受け渡しを選択して、受け渡し日に代金総額を支払えば、当該商品をもらえる仕組みになっています。
商品先物取引が行われる時間は取引所によって決めれています。日本の商品先物取引市場には、2つの取引方法があります。
東京工業品取引が扱う貴金属や原油の取引は「ザラバ取引」といって、商品先物取引業者が東京工業品取引所の端末を使って入力するコンピュータートレードであるため、営業日の午前9時から午前11時、及び午後12時から午後15時半までなら、いつでも取引ができます。
一方、穀物などの商品は「板寄せ取引」といって、市場の業者の代表者が集まって、値段ごとに手を振って売買を行います。この場合は、通常5分程度の立会い時間内でしか取引はできません。商品によっては異なりますが、1日4回から6回の立会いがあります。顧客は、立会いが始まる前までに注文をしなければなりません。
1日の取引時間内で売買を完結させることを日計りといいます。デイトレードとも言います。
追証(おいしょう)制度

「商品先物取引」で財産を失ったという人がいますが、実はそんなことは取引のシステム上ほとんどありえません。なぜなら「追証」という制度が存在するからです。
例をもとにご説明します。
金を2,400円で1枚買ったとします。証拠金を9万円納めます。ところが金価格が2,354円に46円下がったとします。このことで、9万円の半分の超える4万6千円の評価損となります。その時点で、商品先物取引業者は顧客に対して追証拠金を請求します。つまり、最初に払った証拠金が4万4千円の価値しかなくなってしまったので、元の9万円に復帰してほしいと、新たに4万6千円の追証拠金を請求するのです。
2005年、商品取引所法が改正になり、1度追証がかると、その後、評価損失がなくなるまで追証の請求があることになりました。原則として、請求日の翌日の正午までに追証が入金されなければ、その顧客の売買ポジションを商品先物取引業者が勝手に反対売買で閉じてしまうことが法律で許されています。その場合の顧客の損失は4万6千円強の金額で収まるはずです。預けた9万円の証拠金から、その損失と手数料を差し引いた金額が返還されます。4万円強は残る勘定となります。
商品先物取引は追証の入金がなければポジションを無条件で手仕舞いすることができますが、現実的には、追証の請求がしつこく行われています。追証の支払いを渋っている間に、損失はますます大きくなることが多いです。
追証を請求されるがままに追加資金を支払うと、投資金は意に反してどんどん膨らみます。投資技術として、これは大きな間違いです。
正しくは、追証がかかったら損失を甘んじて受け入れ、ポジションを自ら閉じてしまうことが正解です。損失は最低限に留めて、何度も損をすることをいとわない感覚が大切です。これを一度の取引にこだわり、ずるずるといわれるままに資金を投入していくと、資金が尽きたところですべてがなくなってしまう可能性があります。深みにはまるとは、このことをいいます。
- @商品先物取引HOME
- 商品先物取引とは
