
ウィリアム・D・ギャン

世界の伝説的な投資家の多くが株式市場を舞台に活躍していたのに対し、ウィリアム・D・ギャンは商品市場で名を馳せた投資家です。
1933年の1年間の商品先物相場では479戦422勝と勝率88%を誇り、利益率は4000%と驚異的な数字を上げました。トラックレコードだけでなく、数々の商品投資に関する「教訓」を残し、現在でも商品先物の世界では「ギャン理論」研究が盛んになっています。
ギャンをめぐる相場エピソードは数多く、1908年、30歳の時には130ドルの資産を30日で1万2,000ドルにし、1923年、45歳の時には973ドルを60日で3万ドルにしたという記録が残っています。

なかでも、ギャンの名を高めたのは1914年の第一次世界大戦を予測したこと、1929年の大恐慌による大暴落もその1年前に予測し、新聞上で「多くの投資家がその暴落によって自信を失うだろう」と看破していたことです。
ギャンの投資手法はチャート分析を基本としていました。過去を徹底的に検証し、「価格と時間の均衡」にその理論の中心を置き、「時間はすべての要素の中でも最も重要なもの。十分な時間が経過しない限り、どんな大きな上昇も下落も始まらない。時間という要素は値動きの大きさと出来事という2つの要素に勝てる程重要である」と述べています。
ギャンはその著書『商品で儲ける法』で「過去においてどのように動いたかを知れば、将来を見極めることができる」と書いています。

ギャン理論は、時間と価格の間に比例関係があるとする「ギャン・アングル」や「ギャン・スクウェア」、天井や底打ちの価格を予想する「リトレースメント」、大きな相場の転換時期を予測する「タイムサイクル」の理論が中心に構築されているのです。
ギャンは「商品は株よりも儲かる」ということを18の理由をつけて述べています。「商品には季節性があり、生産と消費で動き、予想が容易である」「景気循環は株価よりも商品についてより明瞭である」「商品取引の予測ルールは一度学べば不変である」ことなどを挙げています。
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